Crags

Siem Reap/Phnom Kurom

・概要
プノンクロムはシェムリアプ市街に近いトンレサップ湖北辺の港に立つ小さな山だ。頂上にはアンコール遺跡がある。しかし、クライマーの関心は中腹より下にある石切場跡の岩壁に向くだろう。堅く鉄分の多い泥岩で、ダイナマイトの生んだひびが縦横に走っている。お陰でヒステリックな子供の積み木みたいにいきなり崩れたりする。私たちはしばらく躊躇と逡巡の塊と化していたが、ある日ここに、奇跡的に硬い小さな赤い壁を見つけ、ボルトを2本入れた。気楽にプチレッドクリフと命名。簡単だが、限定すればそれなりに楽しめる。トップには珍しく根の張った太いブッシュがある。これを使ってラペルやロープワークのトレーニングが出来るが、無論一日を潰すほどのものでは、まったくない。湖を振り返ると“千と千尋”の幻想シーンを彷彿する景色が広がっている。夕暮れ時は特に美しい。それが僅かにプラス要素と言えなくもない。

・位置
シェムリアップ州/シェムリアップ郡/チョンクニアコミューン

・アクセス
シェムリアプ市街から自転車で40分。バイクで20分。チョンクニアの港から、南面の林道を中腹まで5分ほど上がる。壁は道路脇の太いブッシュの下にある。

・ギヤ
目的にもよるがロープは30mあれば十分。クィックドロー5〜6本。終了点を作るためのスリング数本。

・岩壁の特性
飽くまでも散々ダイナマイトで崩された石切り場跡の泥岩だ。固いとはいえたまに剥離はある。ホールドにいきなり力をかけない方が良い。

・ルート
ルートは1本のみ(ラインはボルトの左右2つ)。ランナーは2本。グレードは限定無しで5.6。幅を限定しても5.9だ。リードを始めたばかりのひとには楽しいかも。終了点廻りの様々な操作やラペル、あるいはクリップと終了、ロープのかけかえ、ロワダウンなど、一連の流れを練習するのに適している。

・トイレ
無し。

・脅威
陽射し。何しろ日陰がない。夕方か早朝の利用を勧める。あるいはパラソル持参。

・その他
山の中腹までチョンクニア入り口に階段がある。これを登ると、頂上の遺跡へ行くものとされ、遺跡券を要求されるので要注意。

・トポ
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